人ごとじゃないアレルギーの話

年齢によってアレルゲンは変わる

アレルゲンになる食べ物の種類は、年齢による違いがあります。0歳から3歳までの上位を占めるアレルゲンは、鶏卵や乳製品、小麦ですが、それ以降になると、甲殻類や果物、ピーナッツやソバなどが上位に上がってきます。また、乳幼児期に発症した食物アレルギーの場合、鶏卵や乳製品などは学童期の頃には食べられるようになることが多いですが、その一方で、新たな食べ物がアレルゲンになってしまう場合もあります。乳児の食物アレルギーは皮膚症状に現れやすく、ほとんどの場合、アトピー性皮膚炎に合併して発症します。ただし、乳児のアトピー性皮膚炎の全てに関与しているわけではありません。勝手に判断して、あれもこれもと食べ物を除去してしまわず、正しい診断を受けることが大切です。乳児アトピー性皮膚炎は、まず、正しいスキンケアとステロイド外用療法で皮膚の状態をととのえ、食べ物の影響が皮膚に出るのかを判断できる状態にしておくことが大切です。きちんとした検査を行い、原因となる食べ物を特定できたら、それを食べないようにして生活を送ります。小児の食物アレルギーは多くの場合、成長にともなって原因食物を食べられるようになります。早く食物除去が解除されて食べられるようになれば、食生活の幅は広がり、負担は軽減されます。一度原因食物と診断された食べ物も、定期的に専門の施設で食物負荷試験を受けるなどして、原因食物が食べられるようになっているか調べてみるとよいでしょう。